建築物(ビル)を造る建築業は、斬新なデザイン、最新の設備、最新の技術を駆使するのが仕事ですが、ビルメンテナンス業は建築物の維持保全の仕事に携っており、比較的地味なイメージがあります。
ビルメンテナンス業務は大勢の人が使用し、利用する建築物の衛生的環境の確保と安全な環境を確保して快適な空間を創り出し、人の生命・健康を守ります。また建築物の価値の確保や長持ちをさせることにより、財産・資産を守ることを目的にしています。ビルメンテナンス業務は、このようになくてはならない重要な仕事なのです。
ビルメンテナンスの仕事は、大きくは1.環境衛生管理業務、2.設備管理業務、3.警備防災業務、4.その他業務の4つに分類できます。
A.清掃管理業務
美観と衛生的環境の提供
建築物の壁材・床材には、木材・金属・石材・ガラス・プラスチック材等多様な素材が使用されています。建築物の利用者が衛生的な環境で快適に過ごせるように、内部と外部にはそれぞれの用途・素材の特性を理解した清掃が行われます。
そのための専門家として「ビルクリニーング技能士」(国家資格)が養成されています。また、全国ビルメンテンス協会では評価、改善提案のできる「建築物清掃管理評価資格者」制度を設け、日々品質向上に努めています。
B.衛生管理業務
快適空間の提供
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」には、建築物を衛生的環境の維持のための基準が定められています。
建物室内の空気環境については温度・相対湿度・浮遊粉塵・CO・CO2等について測定をします。また、飲料水については残留塩素や水質検査、貯水槽の清掃なども行ない、ネズミや害虫の防除も実施しています。
設備の安全運転の提供
建築物の設備の運転保守業務を行います。建築物には電気通信設備、空気調和設備、給排水設備、消防設備、昇降機設備などがあります。これらは365日24時間故障がなく、安全で、しかも最近の建築物の設備機器はコンピュータで管理をされています。設備機器それぞれには専門的な知識と技能を持った有資格技術者が専任されていますが、設備機器全体に対する知識とコントロールできる技能が必要となってきています。
そのための資格者として「ビル設備管理技能士(1級、2級)」(国家資格)が平成8年から実施されています。
建築物と人の安全を提供します。
警備業務、防火管理業務、防災管理業務があります。
警備業務は、建築物・一般住宅・駐車場などの施設警備、交通誘導警備業務・雑踏警備業務、輸送警備業務、身辺警備業務などがあり、警備業法に定められた警備員指導教育責任者や検定合格者(国家資格)を有するなど一定の基準を満たした認定業者のみが営業できます。
防火管理業務は、消防法に基づき消防計画の作成、消防設備の点検・維持管理などを行います。
防災管理業務は、自然災害を未然に防ぐ被害抑止、被害の拡大を防ぐ被害軽減等の業務を行います。
建築物の長寿命化や省エネルギーを受けて近年、ビルメンテナンスの仕事に新たな取り組みとして、次のような業務を取り入れている企業が現れています。
A.ビルマネジメント業務
B.建築物のエネルギー管理
地球環境を維持するためには、低炭素社会の実現に向けて、業務用等の建築物から排出される温室効果ガスであるCO2の排出の抑制は必要であると考えられます。そのため建築物におけるエネルギー使用量を抑制するために様々な努力がなされています。
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